Friday, 31 August 2012

これだけの工具をクルマに積んでいないと安心出来ない。

FERRARI F-1 teamの工具で有名なUSACのラリー用の大型ロールを使っている。


XK120に積まれていた純正工具とJAGUARマークが彫刻されたAF規格のスパナ。



いつ路上での修理を余儀なくされるか解らないXK120。
まず使う事など無さそうな工具も多いのだが、
どこが故障するか解らないから安心のためいっぱい積込んでいる。

どんな狭い場所でも使える20数本のスパナが中心だ。
当時のXK120に車載された緑色のキャンバス・ロールには、
英国の
4種インチ規格の工具が積まれていた。
エンジンルームにはグリース・ガンがホルダーにセットされ、
トランクルームにはエア・ポンプまで積まれていた。

XK120に使われている4種類のインチ規格:
AF    = Across Flat
W     = Whitworth
BSF = British Standard Whitworth Fine
SAE = Society of Automotive Engineers

4種類の英国インチ規格のネジは微妙で複雑だが、

サスペンション、ブレーキ、エンジン、燃料・電装関係と
ある程度は系統だっている。

走行中のトラブルは大抵が燃料系か電気系統と決まっている。
だから、キャブレーター、燃料ポンプ、デスビ、プラグなどに
必要な工具とスペアのプラグとポイントだけで充分なのだが、
過去の苦い経験から切れたファンベルトのスペア交換の時の
オルタネーターを動かす為のレバーまで入れている。

その他、針金やガムテープなども欠かせない。

交通量が少なかった昔は路上で応急修理していると、
通り掛かりのメカ好きの方が手伝って呉れたりしたものだが、
今の交通環境では田舎道でも無理だろう。
工具よりもレッカーを呼ぶための携帯電話の方が

必要とされる時代になってしまった。

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Wednesday, 29 August 2012

スポーツカーは男が一人淋し気に乗っているのがイイ。





スポーツカーは男が一人淋し気に乗っているのがイイ、と
セダンの時にしか僕の横に乗ら無い恋人が居た。
それは、スポーツカーが持つ男にしか扱えないような獰猛さと、
繊細さが醸し出す孤独の影を理解していたからだろう。
彼女のそんな美意識の頑さが好きだった。

夏が終わり誰も居なくなった公園の駐車場。
長く伸びる影を踏みながら、愛した昔の恋人を想い出す。


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Monday, 27 August 2012

漂泊・放浪・望郷、そして青春・・・



オープンスポーツカーは僕を中学生の頃に引戻す。
あの頃はヘルマン・ヘッセの文庫本をポケットに入れて、
郷愁やデミアンやクヌルプを貪り読んでいた。
漂泊、放浪、望郷、そして青春、何と魅惑に満ちた言葉。
そんな憧れが僕の全てを形作ってしまったから、
今もなお、飢えたオオカミの様にさまよい続けている。

人を運ぶ為でも無く目的地へ行く為でも無いスポーツカー、
それは正しくヘルマン・ヘッセが描く漂泊の魂。
屋根も無い狭い操縦席こそが心地良い寝倉。
性能の優劣や華麗な造形と言った世俗とは無縁の世界。
風に吹かれ、獣の様に心を解き放つためだから・・・。

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Thursday, 23 August 2012

どんな時代でも、趣味は趣味として・・・




























3・11の悲劇を経験したにも関わらず、
未だ経済優先を名目に原発に依存しようとする社会。
混迷し希望の持てない政治を嘆きはするが傍観するだけで、
愚劣極まりないTVや新聞の偏向報道に誘導され、
プロスポーツや芸能界の話題に現を抜かす人達。

もう浮ついたクルマの話など止めようと思っていたら、
「どんな時代でも、趣味は趣味として・・・」と、
ある方から意味深いコメントを頂いた。

明日をも知れない兵士達の心を
リリーマルレーンの唄が慰めた様に、
こんな世の中だからこそ、
趣味が疲れ果てた心を癒すのかも知れない。

そんな想いを、この絵本に込める・・・